中盤に大きな穴が空いた
ベルマーレサポーターにとっては、辛いクリスマスプレゼントが届いた。
石川俊輝、大宮アルディージャ移籍。
2014年に東洋大学から加入してから5年、プレーは地味だけど、その存在はベルマーレの中でもひときわ大きかった。
ハードワークを厭わず、プレーの切り替えの質も高い。ボールを扱う技術にも長け、正確なキックからチャンスを演出することも多かった。
そして、彼の何よりの長所が、“主体性がない”ところ。
一見短所に見られがちな部分ではあるが、特徴の有りすぎる選手が揃うと、そのチームはとんでもなく良いリズムになるか、リズムなんぞヘッタクレもない悪循環に陥るようになるかの2パターンしかない。
それをバランスよく中和させるのが石川俊輝のような“主体性がない”選手なのだ。
パートナーを選ばない上に、自らの良さもバンバン出せる。
起用される位置がボランチでも、シャドーでも、センターバックでも、石川俊輝は石川俊輝のままだった。
周りがよく見えて無駄なことをしない、とにかく多方面で効く選手だったので、サッカーのプレーは元より、敵味方問わず脚を攣った選手の脚を伸ばしてあげたり、ルヴァン杯準決勝のPK戦で劇的勝利を挙げて号泣する梅崎司に真っ先に駆け寄ったり、練習後の良質なファンサービスなど、本当にベルマーレで1番の“水を運ぶ人”だった。
自分で今年作成したベルマーレの選手名鑑で、石川俊輝のことを『お弁当でいうポテトサラダのような選手』と評したのは、自分でもナイスな表現だったと思っている。笑
だって、隅っこの方に置いてあったって残す人は少ないだろうし、ポテト(炭水化物)+サラダ(野菜)を組み合わせてるんだから、バランスが良くないはずないじゃない。
地味な色合いだけど、ポテトサラダって作った人そのものの性格が出るものだからね。
この3年で石川俊輝はベルマーレの中盤に欠かせない“偉大なポテトサラダ”だった。
俊輝が居なかったら、齊藤未月・金子大毅といったイケイケで伸び盛りな若手のホープたちを躊躇なく使えなかっただろう。
俊輝の抜けた穴は地味に大きい。
だけど、ここは彼が生まれ故郷のチームでプレーする、という俊輝自身の大きな選択を尊重してあげたい。
カテゴリーが違うから、少しは救われた気分だけど。苦笑
石川俊輝のフットボーラー人生に、幸あれ!!!
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