暗黒時代の希望の光
話は15年くらい前に遡る。
2003、2004シーズン、ベルマーレは当時J2で13チーム中10位という成績に2年連続で落ち込んでいた。
当時の平均観客動員数は3000人くらい、ゴール裏は開放されず、試合開始10分前に余裕で席が取れたり、応援の中心は7ゲートのコーナーフラッグ近辺の1ブロックのみ、なんてこともあった。
そんな状況だったし、ベルマーレの勝ち試合なんてほとんど見れなかった。
ただ、中学生だった僕はある選手のプレーを見たいが為だけにスタジアムへ通っていた。
その選手こそ、今度のレジェンドマッチに出場する加藤大志さんである。
前述の通り、当時のベルマーレはJリーグの中でも下の下、くらいのチームだった。
劣勢に立たされることが多かったので、ほとんどの試合が追いかける展開になってしまう。
ホームゲームを観に行くと、早く後半にならないかなあ、と心待ちにしていた記憶がある。
お目当ての加藤大志が出てくるのは、もっぱら後半からだったからだ。
165センチ、60キロという小柄な体格ながら、スピードに乗った切れ味の鋭いドリブルで対面のディフェンダーの守備力を無効化し、正確な右足のクロスでチャンスを演出するスピードスター。
ベルマーレが試合に負けても、「今日も大志のドリブルが見れたから来て良かった!」と思えたくらいである。笑
(余談ではあるが、アテネ五輪の代表候補に中里宏司(下部組織上がりのボランチ、愛称『チュウ』)と共に名を連ねていた実力者でもあった。)
加藤大志は“暗黒時代”を生き抜いてきたサポーターたちを魅了してくれた、まさに“希望の光”だった。
J1の舞台に立てるようになった今でも、7ゲートの前をベルマーレの右サイドの選手が駆け上がると、サポーターのボルテージが自然と上がるけれど、その伝統を紡いでくれていった選手の1人でもあった。
ちなみに、僕が“18”という数字が好きなのは、100パーセント加藤大志のせいですw
レジェンドマッチで大志が背番号18をつけて右サイドでドリブルなんか仕掛けちゃったら、当時の記憶が蘇ってきて、ジーンときちゃうんだろうなあ。
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